一般的に父親より母親の方がより多くの時間を子供と過ごすため、毒母に悩まされる子どもは少なくありませんが必ずしも母親だけが毒親になるとは限りません。
実際ニュースを見ていると母親だけでなく父親による虐待により子供が重体になったり亡くなったりする事件は後を絶ちません。
私の父も典型的な毒親であり、私自身その悪影響から解放されるまでにはかなりの期間を要しました。
毒親と毒親。どちらの方がより厄介とは言えませんが、本来は頼るべき一家の大黒柱として家族を守るべき存在である立場の父親が毒親であった場合子供への影響力は計り知れません。
そこで今回は父親が毒親であった場合、どのように行動するのが最善なのか私の経験から書かせて頂きたいと思います。
目次
毒父に対処するには、まずその○○を知ろう
自分の父親が毒親であった場合、まずその具体的な特徴について知っておくことは、助けになります!
なぜなら
- 毒父ゆえの言動によって辛い思いをさせられることがあった時、自分を責めなくて済む
- 特徴を知り父親が毒親だという確信が持てればその悪影響やトラウマの因果関係に気づき、闘うための行動ができる
- 毒父の特徴を知れば、父親の間違っていることや理不尽に感じつつも我慢してきたことに対して否定したり拒否したりする勇気が持てる
毒親というものは子供を支配、マインドコントロールしようとします。
毒父によって受けたダメージを自分のせいだと思い込み苦しんでいる子どもは少なくありません。
また、毒父にされたことで酷い悪影響やトラウマを負っていても、その原因が父親にあることに気づかないままであるケースもあります。
毒親の呪縛から逃れるためには、毒親がしてきたことを悪である、間違っていると認める必要があります。
ですから、毒父の特徴を知っておくことは多くの点で、子どもにとって助けとなります。
毒父の特徴をここにいくつか挙げます。
- 支配的。自分の話を聞かせてばかりで子供の話に耳を傾けない
- 「誰に食わせてもらってると思ってるんだ!」「文句があるならうちから出ていけ!」などと脅し不安にさせる
- 子供の学歴や進路、就職先などが自分の基準を満たしていない、期待通りでないと反対、罵倒、あからさまに不機嫌になる
- いつも自分が正しく、子供の言うことは間違っていると思っている
- プライドが高く、謝罪しない
- 自分の間違いを認めない
- 母親へのモラハラ発言、「お前の育て方が悪かったからこうなった」などと子供のミスや子育てが上手くいかなかったことを母親のせいにする
- 子供の失敗を許さない
- 子供の言っていることを理解できない。あるいは理解しようとしない
- 自分が理解できないこと=間違っていると決めつける
- 子供への興味をほとんど持たない。無関心
- 子供が思い通りにならないと、怒鳴る、体罰などにより服従させる
- 夫婦喧嘩が多い
- 自分の一方的な価値観を子供に押し付ける
- 子供を身体的、性的に虐待
私の場合、父による暴力、身体的性的虐待といった問題の次に精神的にきつかったのが3でした。
進学の点で有名大学出身の父の期待に応えることができなかったので、毎日「お前は俺の恥さらしだ。」「お父さんがお前のせいでどれだけ会社で恥をかいているか分かるか!」などと言われ続けとても悲しかったです。
また8の、子どもの失敗を許さないという点でも私の父は極端でした。
私が小学生の頃、車のドアに誤って指を挟んでしまったことがあったんですね。激痛で泣き叫ぶ私を見て、父は最後まで私の怪我を一度も心配せず「なんで気をつけねえんだ。このバカ!」と延々と怒鳴りつけるだけでした。
その時のことはショックで今でもよく覚えています。
では毒父による精神的な悪影響、トラウマを今も抱えているならどうすればよいのでしょうか?
その点で私がどうしたか次に書きます。
毒親は変えられなくても○○は変えられる。
これは経験から言えることですが、毒父を反省させるましてや謝罪させるなんてことは、まず無理です。
変えることができるのは自分だけなのです!
私はある時まで自分が父にされたことでどれくらい傷ついたのかを理解してもらおうと、せめて私が味わった恐怖、絶望、孤独、苦しみのほんのかけらでも知ってほしいと思い何度も直接、電話、文章、メールなど形を変えて伝えようと試みたものでした。そうすれば少しは自分の心が救われるような気がしたのです。
しかしそのように行動すればするほど、私はより深く傷つきました。私の父親は驚くほど何も感じていなかった。
実際にあった暴力、身体的または性的虐待さえ「覚えていない。」と言うのです。
そして返ってきたのは私への罵倒、そして母への責任転嫁だけだったのです。私は心の底から失望しました。
私の努力は実に空しい結果となり、かえって父親に再開することで自分のなかのかつてのトラウマを呼び起こしただけでした。
どうあがいても過去、起きてしまった出来事は変えることができません。
そのことに気づいた時、私は父ではなく自分を変えることに決めました。
最後にその点でできることを書きます。
1人で悩まないで!過去を変えることはできなくても○○を変えることはできる!
過去を変えることはできませんが、未来を変えることは可能です!
そのために私は以下のことを実践しました。
- 父にされたことで苦しんでいる自分を責めない
- 父親のしたことは許せないが、いつまでも過去に囚われることをやめた
罪を憎んで人を憎まずという孔子の有名な言葉があります。毒父にされたことを許さなくても構いませんが、子供時代だけでなく未来さえも毒父を恨み続けることで毒父に囚われ台無しにされて良いでしょうか?
- 父にされたことをなるべく思い出さないようにした
- 毒父からの悪影響を断つために物理的な距離を置き連絡手段を断った
- 金銭面で依存しない。経済的に独立
- 絶縁
- 信頼できる第三者に相談
毒親に育てられた子供は背負っているものをどこかで吐き出す場所を必要としています。
もしすべてを打ち明けられる信頼できる人がいないなら、医療機関でのカウンセリングを受けることをおススメします。
まとめ
- 毒父の特徴を知っておくことは自分を責めたりしないで済むなど自分の心を守る点で助けになる。
- 毒父に反省や謝罪を求めることはかえってこちらの傷を大きくしてしまう結果になりかねないので、期待することは避ける。毒父でなく自分を変える。
- 過去は変えられずとも未来は必ず変えられると信じよう。過去に囚われない、毒父の悪影響から解放されるために物理的な距離を置く、必要なら第三者へ相談するなどする。
私はこれらのことを実践して数年間が経過しました。
やはり毒父にされたことを完全に記憶から消すことはできませんし、何かの拍子に思い出してしまうこともあります。
しかしふと記憶が蘇ることと、くよくよと考え続けたり恨み続けたりすることは全く違います。
子供時代を思い出しては父を恨んでいた間、私の心は酷く荒れ、精神的に不安定であり毎日辛くて生き地獄のようでした。
しかし今、私のなかで父の存在はほぼ完全に消し去られています。
よく人生は旅に例えられますが、旅先で偶然出会ってしまった不愉快な人くらいに思っています。
私は恨むことをやめ、父と絶縁し、信頼できる人にすべてを打ち明けてからようやくそれまで背負っていた重い荷物を降ろせたように父に囚われることなく楽に生きられるようになりました。