「もしかしたら自分の親は毒親ではないのか?」
何かのきっかけで、ある日そう思うことがあるかもしれません。
私はそのことに二十歳を過ぎて社会人になり、アダルトチルドレンだと心療内科の医師に指摘されるまで全く気づきませんでした。
自分が毒親育ちかどうか知りたい。自らのルーツを知っておきたい。そのような気持ちを抱くことは当然のことと言えます。
しかし同時にそんなことを知ってどうするのか?自分の親が毒親だなんて疑いたくないし、親を裏切るような気がする…そんな気持ちを抱くこともあるかもしれません。
そのことについてまず書かせてください。
目次
毒親育ちであることを知ることで得られるもの
私は自分の親が毒親であると知れて、結果的に良かったと思っています。
なぜなら毒親育ちであることを知ることは、自分自身のアレルギーについて知っておくことに似ているからです。
そば、卵など食物、花粉、ハウスダスト、金属、薬物などアレルギーには様々な種類がありその人にとって危険なものは人それぞれ異なるもののそのような自らの体質や固有の傾向について知っておくことは避けるべきもの、気をつけるべき点について知り結果的に自らを守ることにも繋がります。
毒親育ちであることを知ることについても同じことが言えます。
毒親に育てられた子どもは形はそれぞれ異なるものの、少なからず毒親による毒、すなわちトラウマや悪影響と闘わなくてはならずそれは自らとの闘いでもあります。
その点で自分自身の育った環境と向き合い、自らの傾向を知っておくことはとても役立ちます。
“彼を知り己を知れば百戦殆うからず”ということわざがあるように、戦いに勝つためには敵についても味方についても知っておくことが大切ですね。
自分の親が毒親かどうか知ることは自分自身を守るために必要不可欠と言えます。
ここに親が毒親かどうか知るためのチェックリストを用意しました。是非参考になさってみて下さいね。
毒親診断チェックリスト22項目(子供時代編)
- 評価されたり褒められたりすることは皆無、否定されることばかりだった
- 親からかまわれすぎていたりわがままを許されていたなど過保護だった
- 子供が耐えきれないほど過剰に詮索するなど過干渉
- 身体的、性的、精神的な親からの暴力、虐待があった
- 悲しくなる、不安になる、傷つくことがよくあり腹が立ったり必要とするものが奪われた気分になったりすることが頻繁にあった
- 親の意見がすべて。反論、疑問が許されない
- 怒り、悲しみ、恐れなどの感情を親の前で表現できない
- 親子の立場が逆転(親が親としての責任を果たさない)
- 犯罪自慢をする親
- 両親の夫婦仲が悪かった、あるいは両親間に暴力があった
- 親から怖い思いをさせられる
- 兄弟、親戚や近所の子供と比較される
- 家の中にいつもいざこざ、心配事があった
- 親からコントロールされて本当はやりたくないことをやらされた
- 過剰な期待、強いプレッシャーを親からかけられる
- 条件つきの愛情しか与えてもらえなかった
- 親が近くにいるとリラックスできず緊張
- 矛盾すること、意味が曖昧なルールを押し付けられる
- 家族間に温かさや愛情がほとんどないと感じていた
- 本当の自分でいるより親を喜ばせたいと思っていた
- 親が情緒不安定、心が健康でない
- 子供を罵る、ばかにする、辱めるような発言をする
いくつ当てはまりましたか?
私は22のチェックリストのうち、8と9以外はすべて当てはまりました。
特に16の条件付きの愛情という点ではよく「お母さんの言うとおりにしてお母さんの大切にしている宗教をやらないなら、もうご飯も食べさせないし家にも住ませないから。うちの子供じゃない、出て行ってもらう。」と本気で小学生の頃から繰り返し言われていたことを思い出しました。
過干渉、過保護といった問題に加え、我が家では夫婦間の喧嘩や暴力が絶えず、親からの虐待が酷かったのでいつも家では緊張していましたね。
それではあなたが成長期、思春期、学生の時はどうでしたか?
毒親診断チェックリスト18項目(成長期~思春期、学生編)
- 服装や髪形などファッションに親が干渉、口出しする
- 考え、発言が親の思い通りになるように指示ばかりする
- ○○ちゃんとは遊ぶな、仲良くするなと言うなど交友関係に干渉し子供に友達を選ばせない
- 進路、学校の選択に親が介入
- 恋愛関係に親が介入、口出し
- 携帯電話や日記を見るなどプライバシーを侵害
- 自分への批判に過敏
- 親の言うことをきかないと縁を切るなどと脅される
- バカなどと罵る
- 外見を醜いなどと罵る
- 親が身体的、性的に虐待したり他の人が子供にそうしていることを知っても無視、あるいは助けようとしない
- 子供のすべてを支配
- 世の中のことを自分の価値観ですべて善か悪かで決めつける
- 親が完璧主義、ストイック
- いつでも自分が正しいと主張、他人からの意見、誤りを認めない
- 子供や周囲を傷つけたり辛い思いをさせているのに無頓着
- スケージュル、規則、清潔さなどに対し異常にうるさい
- 子供が独立した個人であろうとすることを許さない
子供時代編と重複する部分もありますが、私の両親はこれらすべての点が当てはまりました…。
今になって客観的に自分の育った環境や両親を見れば明らかに異常だったと認めざるを得ないものの、当時の私は完全に毒親に一種の支配、マインドコントロールをされていたので不思議と気づかずにいたのです!
まとめ
- 毒親育ちであることを知ることは、毒親による悪影響、トラウマと闘う上でまた自分を守る点でも助けとなる。
- 子供を身体的に虐待することだけでなく、過保護、過干渉、言動などで子供を追い詰めるなど精神的な虐待も毒親の特徴である。
- 毒親は子どもが成長しても、1人の人間として人格を認めようとせず支配しようとし歪んだ思考を植え付ける。
私が自分の両親が毒親だと知ったのは大人になってからだったのですが、それまでの間とても辛かったです。
「なぜこんなにも社会生活や人間関係が上手くいかないのか?」
「なぜこんなにも世の中は生きづらいのか…自分は何か人格的に問題があるのではないか?」
「自分は人として欠損しているのではないか?」
いろいろ考え、悩んだものです。
しかし自分が毒親育ちであると知り、心がスッと軽くなるのを感じました。
以前のように自分を不必要に責めることはなくなりました。
そしてそのことを知ってから医療機関でカウンセリングを受けたり、たくさんの専門書を読んだりし、そのことで毒親育ちの子どもにどのような傾向や特徴があるのか、またその対策について学びました。
そして毒親から独立して絶縁する決意をしました。
自分の両親が毒親だったんなんて…と、認めるには最初は勇気が要りました。
それでも自分が毒親育ちだと知れたことが「このままではいけない!このままでは大変なことになる。自分を変えなくては。」そう強く決意し、その悪影響から解放されるきっかけになったのです。