大人になってからも毒親からストーカーまがいの過干渉を受け続けることは、子どもにとっては真綿で首を占められるようなものです。
私も毒親に悩まされた一人ですが、過干渉されることにはされた本人にしか分からないストレス、耐え難い精神的な苦痛を伴います。結果、仕事や人間関係、恋愛にも悪影響を及ぼしアルコール依存症、メンタル疾患、職を失いひきこもりになってしまった人さえいます。
大抵毒親の過干渉は話し合って解決できるようなレベルではないので、自分ではどうすることもできず、弁護士へ相談し何か法的な処置をとることはできないのか?と考えるかもしれません。
そこで今回は親による過干渉について弁護士への相談を迷っておられる方へ是非知っておいた方が良い情報をご紹介します。
目次
親子と言えど他人なのに…。実際にあった、弁護士相談を検討するほどの過干渉。
限界まで追い詰められているにも関わらず、やはり親のことを弁護士へ相談するなんて…と、抵抗を感じるかもしれません。
そこで自分自身の置かれている状況を冷静に判断するために、実際にあったいくつかの毒親のケースを見てみましょう。
- 毎日数回必ず電話連絡を入れなければ、電話に出るまで時間を問わず真夜中であろうが15分起きに電話。
- 着信を無視すると100回でも毎日着信履歴を残したりメールを何十通も送信。
- 連絡が取れないと突然家に押しかけて来る。
- 連絡が取れないと職場にまで電話。
- 執拗に押しかけてきては出るまで近所迷惑になるほどドンドンとドアをたたく、大声を出す、インターホンを連打。
- 実家を離れて暮らしているのに行動を監視したり毎日電話で報告義務を課したりし、子どもの行動を把握。
- 子どもの住居の合鍵を入手、勝手に侵入、居座る。
- ファックスや手紙によって不満や罵倒のメッセージを毎日のように送り付けてくる。
- 連絡がとれないとすぐに警察へ捜索願を出すので、頻繁に警察から電話が来て心が休まらない。
- 探偵を雇って日常生活を監視。
絶縁前、母は私が社会人になって自活しているのに、毎日行動を根掘り葉掘り聞きだす電話をかけてきました。
その日何時に出かけ、どういう用件で出かけ、誰と会い、何をし、どこへ行ったか?帰宅は何時か?今どこにいるか?毎日確認の電話が来ました。仕事内容も毎月の給与も報告義務があり、現在の貯金残高まで把握しなければ母は満足しなかった…いえ、そうしなくてはまるでいられないかのようでした。
とは言えそれには時間も取られますし、当然私だって答えたくないこともあるわけです。
そこでいわばそれらの"職質”に答えることを少しでも拒否すれば、母は激怒し発狂、電話を思わず耳から話したくなるほど大声で怒鳴り散らし汚い言葉で酷く私を罵りました。
ただ報告すれば満足するわけでなく、彼女を安心させる思い通りの答えをしなくてはなりませんでした。
帰宅時間が遅ければ延々と叱責され続け、私の身なりをも把握しようとしては服装に口出し、髪を染めたなんて言うものなら私がオシャレすることを異常なまでに嫌悪していた母は激高し大反対、大騒ぎし、親戚に悪口を言いふらしてやめさせるなんてしょっちゅうでした。
電話に出なければ30~40件の着信履歴は毎日、出るまでは100回以上ついに充電がなくなって電源が切れるまで毎日実家からの着信音は鳴り続けました。
携帯電話の電源を切れば母はパニックを起こし深夜であっても県外に住んでいる私のアパートまで押しかけ、インターホンを何度も押し続けました。
ではこれらの行為を‟親”ではなく‟他人”に置き換えて考えてみましょう。例えば身近な同僚や上司があなたに同じことをしてきたらどうしますか?
立派な犯罪ではありませんか?少なくともこんなことを赤の他人にされたら私なら警察に通報します。
親子と言えど何をしても許されるわけではないのです!
では次に法律的な観点から毒親の過干渉について考えてみましょう。
意外!!ストーカー規制法は○○○○○のみに適用。
過干渉という名のストーカー行為を親からされている場合についてですが、「ストーカー規制法」は結論から言えば親子間には適用されません。
ウィキペディアによると、「ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)」について‟規制対象となる行為を、公権力介入の限定の観点から、恋愛感情などの好意の感情に基づくものに限定する。”とあります。
ストーカー規制法は恋愛感情など好意の感情のみに適用されるので親子間では難しいことが分かります。
それでは弁護士に頼ることは過干渉な毒親から逃げる上で無意味なのでしょうか?
いいえ。そんなことはありません。
最後に弁護士に相談するメリットについて書きます。
毒親から身を守るために。勇気を持って弁護士に相談しよう。
弁護士は経験豊富であり、最近では毒親についての相談も増えています。そのため毒親問題について力を入れている弁護士もいるので、まずは無料相談を利用してみましょう。
弁護士は守秘義務があるので安心して相談できますし、様々な事例を知っているのでアドバイスが得られます。
またストーカー規制法は適用されなくても、住民票閲覧制限、接近禁止命令、親族関係調整調停について相談することができます。
まとめ
- 毒親による過干渉はストーカーまがいの行動などにより、メンタル疾患などになるほど大人になった子どもを追い詰めることがある。親だからと言って何をしても許されるわけではないことを肝に命じ、勇気を持って行動しよう。
- 「ストーカー規制法」は恋愛感情などの好意の感情に基づくものに限定されるため、親子間には適用されない。
- 経験豊富で様々な事例を知っている弁護士に相談することには多くのメリットがある。自分の身を守るためにまずは無料相談を利用しよう。
毒親からストーカーのように過干渉されていた時代の私は絶えず看守に監視され自由の許されない囚人のようでした。何をするのも親の顔色ばかり窺わなくてはならなかったので、いつも精神的に不安定であり、何をしても楽しくありませんでした。
結局のところ、どのような手段を講じるにしても毒親と闘わなくてはならないのは本人です。しかしその点で弁護士はサポートし、より賢い闘い方ができるよう知恵を与えてくれます。
例えもし申請が通らなかったなど望み通りの結果にならなかったとしても、裁判所を利用したり弁護士を介入して話し合ったりすることには大きな意味があります。
少なくとも毒親にかなりのお灸を据えることになりますし、あなたが弁護士に相談するまでして本気で毒親の過干渉を退けようとしている決意を見せることになるからです。